パーキンソン病の嚥下障害って?
パーキンソン病の症状に嚥下障害があるのをご存じですか?
食事の時にむせる、薬が飲みにくい、食事に時間がかかる、食べ物が口の中に残るなど、パーキンソン病の嚥下障害は多いです。
今回は、パーキンソン病の嚥下障害について一緒にみていきましょう。
摂食・嚥下は、食物を認識してから口に運び、取り込んで咀嚼して飲み込むまでの事を言います。
この一連の行為がうまくいかないことを、摂食・嚥下障害と言います。
パーキンソン病が進んでいくにつれて、音声・構音障害が90%程度出現するとされています。
お話しすることと、食事をする摂食・嚥下行動は、深い関係にあります。
嚥下に5つの段階があります。
先行期、準備期、口腔期、咽頭期、食道期です。
先行期とは、食べ物を口に入れる前の段階の事です。
飲食物の形や大きさなどを目で見て、一度に口に入れる量や大きさを判断します。また食べることを感じて、口腔内に唾液の分泌が起こり始める時期です。
準備期とは、食べ物を咀嚼し、細かく砕きます。細かく砕いた食物を唾液と混ぜ合わせ、飲み込みやすい状態にひとかたまりにする時期の事です。この時に味や食感を感じたり、楽しんだりします。
口腔期とは、ひとかたまりに形成された食物を咽頭に送り込む時期です。舌を上顎に押し付けて食物を喉の奥に送り込ませながら、鼻の方に送り込まないように、口蓋垂を挙上します。
咽頭期とは、食物を咽頭から食道に送り込む時期です。咽頭は普段呼吸をするための道でもあり、咽頭盤を開けています。食物を食道へ送る際には、咽頭盤を下に向けて、気道を閉じ、食道側を開いて食物を食道へ通過させます。
この切り替えがうまくいかないと、誤嚥を起こすことになります。
食道期とは、食物が胃に送り込まれる時期です。この時、上部食道括約筋の働きで食道が閉じ、逆流せずに胃に食物を送り込みます。
嚥下障害とは、この一連の動作の際に、何らかの問題が生じていることを言います。
パーキンソン病は、比較的早期の時期から嚥下障害がみられやすいです。
喉の奥で起こっていることが多く、気が付かないケースがあります。口の中に食べ物が残りやすくなってから、気付くことが多いです。
では嚥下障害が起きた際には、どのような事が起こるのでしょう。
・誤嚥性肺炎
食物や飲料、唾液などが誤って気道に入り、そのまま肺に入ってしまう場合があります。食物などに付着していた菌などの増殖により、炎症し、肺炎を引き起こします。パーキンソン病の嚥下障害で一番よく起こる症状です。
・脱水・低栄養
水分がうまく飲み込めなくなると、脱水症状が起こります。また食事に時間がかかると十分に栄養が取れなくなり、栄養不足になる場合があります。
・口の中の細菌増殖や感染
食物や唾液が口の中にたまりやすくなり、口の中で細菌が繁殖しやすくなり汚れやすくなります。
どのように気をつければいいのでしょう。
・薬を飲むときに冷たい水で口腔内や喉を刺激し、動きやすい環境を作る。また、錠剤から粉薬に変更したり、ゼリーなどで飲みやすい状態にする。
・食物や水分にとろみをつけ、のどを通るスピードを遅くし、飲み込みやすい状況を作る。
・食物を飲み込みやすい形態に調理する。柔らかく煮炊きしたり、一口大に切っておき、かみ砕きやすい様な状態にしておく。
・口腔ケアをし、口腔内を清潔に保つ。こまめにうがいや、歯磨きをして清潔に保つことを心がける。
・姿勢に気を付け、飲み込みやすい状態を心がける。
パーキンソン病は進行度合いによって症状はさまざまです。
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